「遺品整理をどこから進めたらいいのかわからない…」と、お悩みの人は多いのではないでしょうか。遺品整理は遺族にとって欠かせない、大切な作業です。しかし、遺品が大量にある場合や遠方にいる場合など、業者に頼まざるを得ないケースも少なくありません。
本記事では、遺品整理をスムーズに進める方法や注意点まで丁寧に解説します。遺品整理で捨ててはいけないものも紹介しているため、スムーズに進めるためにもぜひ参考にしてください。
目次
遺品整理の進め方を4ステップで解説
遺品整理は以下の4ステップで進められます。
- 遺言書などの有無を確認する
- 遺品の量や状態を確認する
- 遺品の仕分けをおこなう
- 仕分けした遺品を処分し清掃する
ステップごとに詳しく解説します。
遺言書などの有無を確認する
遺品整理を始める前に、遺言書やエンディングノートなどが残されていないかを確認しましょう。故人の意思を確認できる重要な書類です。
自筆の遺言書を見つけた場合は勝手に開封せず、遺言者の最後の居住地にある家庭裁判所に提出しましょう。遺言書の偽造や変造を防ぐために、家庭裁判所の検認が必要になるためです。
エンディングノートには法的拘束力がなく、故人の意思に従うかどうかは遺品整理をおこなう人に委ねられます。しかし、財産や相続について記載されている場合があるので、遺品整理を始める前に確認しておくとスムーズに進められます。
遺品の量や状態を確認する
遺品整理は遺品の量や部屋の状態などにより、効果的な取り組み方が大きく変わってくるので、まずは原状をしっかり把握することが大切です。遺品整理は、大きく以下の2つの方法に分けられます。
- 自分でおこなう
- 業者に委託する
遺品整理が必要な部屋数や残されたものの量などを、大まかでも構わないので把握しましょう。
故人が亡くなるまできれいに管理していた場合や、部屋数・遺品の数が少ない場合は、自分で遺品整理を進められるでしょう。しかし、ごみ屋敷になっていたり特殊清掃や消臭などの作業が必要だったりする場合は、業者に依頼するのがおすすめです。
遺品の仕分けをおこなう
遺品整理を自分でおこなうか業者に依頼するかが決まったら、メイン作業である荷物の仕分けをおこないます。遺品は以下の3種類に分けていきましょう。
- 貴重品や形見など遺品として残しておくもの
- リユース・リサイクルするもの
- 廃棄するもの
作業を業者に依頼する場合も、貴重品や形見の仕分けは自分でおこなうのがおすすめです。大切なものを捨ててしまったり、誤って破損してしまったりする可能性を最小限にするためです。
遠方におり自分で仕分けるのが難しい場合は、業者に依頼するとよいでしょう。その場合は、残しておきたいもの・処分するものをリストアップするなどして、作業の細かい点までしっかり業者と打ち合わせをおこなうことが大切です。
仕分けした遺品を処分し清掃する
仕分けが終わったら、遺品ごとに処分を進めていきます。形見などを親族に引き渡したり、譲渡・売却をしたりするなどの方法があります。
遺品整理で出た不用品はまとめて業者に引き取ってもらったり、ごみとして処分したりします。自治体などのルールに従い、正しい方法で処分してください。
廃棄するものが大量にある場合は、不用品回収業者などにまとめてひきとってもらうと手間なく処分できます。
遺品の整理と処分が終わったら、最後に清掃すれば遺品整理は完了です。通常の清掃では落ちない汚れがある場合や、除菌・脱臭などの特殊な作業が必要な場合は自力では難しいため、専門業者に作業を依頼してください。
遺品整理の費用の目安
遺品整理を業者に依頼する際、実際にどれくらいの費用がかかるのか気になる人が多いでしょう。費用は間取りや当日に対応するスタッフの人数によって変動し、目安は以下の表のとおりです。
部屋の広さ | スタッフの人数の目安 | 費用の目安 |
---|---|---|
1K・1R | 2人〜 | 40,000円〜 |
1DK | 2人〜 | 60,000円〜 |
1LDK | 3人〜 | 80,000円〜 |
2DK | 3人〜 | 100,000円〜 |
2LDK | 4人〜 | 140,000円〜 |
3DK | 4人〜 | 160,000円〜 |
3LDK | 4人〜 | 180,000円〜 |
4DK | 5人〜 | 200,000円以上 |
4LDK 以上 | 5人〜 | 220,000円以上 |
実際の費用は遺品の量や状態、作業内容やスタッフの人数などによって異なります。
特殊清掃や除菌・消臭処理などは特殊な機械や技術を使用することから、別途費用がかかります。とはいえ、自分で落とすのが難しい汚れや臭いもきれいにしてくれるので、状態によっては業者に依頼したほうがスムーズです。
また、リサイクル家電などの処分費用は別途必要になるので注意してください。
遺品整理を進める際の注意点4つ
遺品整理を進めるときは、以下の4つに注意してください。
- 自分でおこなう場合は遺品の量や整理にかかる時間を把握しておく
- 遺品整理を始める前に親族と相談する
- 捨ててはいけないものを確認しておく
- 廃棄するときは自治体などのルールにしたがう
詳しく解説していきます。
自分でおこなう場合は遺品の量や整理にかかる時間を把握しておく
遺品整理は自分でおこなうことも可能ですが、整理に時間がかかることに加え、遺品の量や状態によってはかなり困難な作業になります。部屋の状態や遺品の量によっては、自分でおこなうとなると数ヵ月は要することもあるくらいです。
遺品整理を自分でやる場合と業者に依頼する場合のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
自分でおこなう場合 |
・自分のペースで進められる |
・時間がかかる ・遺品整理が進まない可能性がある |
業者に依頼する場合 |
・短時間で遺品整理ができる |
・費用がかかる |
それぞれのメリット・デメリットを考慮したうえで、どの方法で進めるか決めるとよいでしょう。
始める前に親族と相談する
遺品整理を勝手に始めてしまうと親族間でトラブルになることがあるため、必ず作業前に話し合いをおこない、遺品整理の方向性を確認しておきましょう。できれば近しい遺族だけで進めるのではなく、関係のある親族の意向を確認しつつ相談しながら進めると、後々トラブルにつながる心配もありません。
とくに、相続や形見分けなどで揉めることが多いので、遺品を処分する前に話し合いをすることが大切です。遺品を処分してしまうと、元には戻せません。
トラブルを未然に防ぐためにも、遺品を欲しがりそうな遺族や知人がいないか聞いておきましょう。
捨ててはいけない物を確認しておく
遺品整理をおこなうときは、捨ててはいけないものをあらかじめチェックしておくことが大切です。作業時に捨ててはいけない主なものは、以下の通りです。
- 遺言書やエンディングノート
- 現金や通帳、キャッシュカード
- 有価証券や保険証券、土地の権利書など
- 印鑑・印鑑登録証
- 身分証明書や年金手帳・健康保険証
- ローンや借金の明細
- 請求書や支払通知書
- 故人の仕事関係の資料
- 返却しなければいけないもの
- 鍵
- 売却価値があるもの など
再発行が必要になるなど手続きが複雑になってしまうものもあるため、遺品整理で間違って捨てないように先に探しておきましょう。
遺品整理で捨ててはいけないものは「遺品整理で捨ててはいけないもの14選!注意点や起こりうるトラブルまで詳しく解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
廃棄するときは自治体などのルールに従う
遺品整理で出た不要なものをごみとして処分する場合は、自治体のルールにしたがってください。分別をきちんとおこない、回収日や時間、場所などを守って回収してもらいましょう。
一度に大量に出る場合や家具などの大型のものは、別の手続きが必要になったり一度に出せる量が決まっていたりする場合があります。自治体によってルールが異なるので、廃棄する前に確認しておきましょう。
遺品が大量にある場合は、業者に依頼することも検討するとよいでしょう。
遺品整理を業者に依頼するときのポイント3つ
遺品整理を業者に依頼すると、作業が短時間かつスムーズに進められます。業者に依頼するときのポイントは、以下の3つです。
- 許可や資格の有無を確認する
- 大切なものはあらかじめ仕分けしておく
- 費用の詳細や追加の有無を確認しておく
ひとつずつ解説します。
許可や資格の有無を確認する
遺品整理をおこなうにあたり、不用品の買取や廃棄には許可が必要なため、業者へ依頼する前に資格の有無を確認しましょう。不用品を引き取り処分する際は「一般廃棄物収集運搬業許可」が、買取りには「古物商許可」が必要です。
許可業者以外に処分を依頼すると、高額請求や不法投棄などのトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。遺品整理をスムーズに進めるためにも、違法業者ではなく市町村の許可を得た業者に依頼するようにしてください。
一般廃棄物収集運搬業の許可業者は、市町村のホームページなどに掲載されています。依頼前に必ずチェックしておきましょう。
大切なものはあらかじめ仕分けしておく
遺品整理を業者に依頼する場合は、あらかじめ貴重品などを仕分けておくと安心です。とくに、遺言状や貴金属、現金や通帳などは業者に依頼する前に一度捜索しておきましょう。誤って処分してしまうと、トラブルに発展しかねません。
遺品整理を業者に一任する場合は、作業途中で貴重品などが出てきた場合の処理を明確に記載しているか確認しておきましょう。貴重品や残しておきたいものの捜索からおこなってくれる業者や、遺品整理の経験が豊富で遺品整理士などがいる業者であれば、安心して依頼できます。
費用の詳細や追加の有無を確認しておく
遺品整理の費用は、遺品の量や部屋の広さ・スタッフの人数などによって大きく変わります。見積もりの際は可能な限り現地で遺品の量を見てもらったうえで、追加費用の有無や作業内容の範囲を確認しておきましょう。
費用が適正か判断するために、複数の業者から見積もりを取ることも効果的です。相場や作業内容などの比較ができます。
遺品整理の費用は高額になるため、トラブルになることも少なくありません。遺品整理を気持ちよく進めるためにも、業者選びは慎重に進めるとよいでしょう。
遺品整理の進め方まとめ
遺品整理は自分でおこなう方法と業者に依頼する方法の2つあります。いずれの場合でも共通して、以下の手順で進めることになります。
- 遺言書などの有無を確認する
- 遺品の量や状態などを確認する
- 遺品の仕分けをおこなう
- 仕分けした遺品を処分し清掃する
遺品が大量にある場合や部屋の広さ・状態によっては、遺品整理を業者に依頼するほうがスムーズに進められます。遺品の処分を依頼するだけでも、遺品整理にかかる負担を大きく減らせるでしょう。
業者に依頼するときは許可の有無を確認し、必ず見積もりを取って作業や費用の詳細を把握してからにしてください。貴重品など大切なものはあらかじめ仕分けしておき、自分では難しい作業のみを業者に依頼すると費用を抑えながらスムーズに進められます。
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