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遺品整理と特殊清掃の大きな違いはなに?特殊清掃が必要なケースや費用相場を徹底解説

遺品整理と特殊清掃の大きな違いはなに?特殊清掃が必要なケースや費用相場を徹底解説

遺品整理と特殊清掃は、一見似ているようで大きく異なるサービスです。遺品整理は故人の残した家財道具や思い出の品を整理し、必要に応じて仕分けや処分をおこなうサービスです。

一方の特殊清掃は事故や事件現場、孤独死などで特別な清掃や消毒が必要な場合におこなわれる専門的な清掃作業を指します。

目的と作業内容が異なる両サービスは、状況に応じて適切に選択する必要があります。サービスの違いを理解したうえで、自分の状況に応じて依頼しましょう。

本記事では、遺品整理と特殊清掃の違いや現場での対応方法、具体的な費用の目安まで詳しく解説します。これから遺品整理や特殊清掃を検討される人は、ぜひ参考にしてみてください。

遺品整理と特殊清掃の違い

遺品整理と特殊清掃の違い

遺品整理と特殊清掃は、人の死亡後に必要となる2つの異なるサービスで、それぞれの目的と作業内容には大きな違いがあります。

遺品整理は故人の残された持ち物を丁寧に整理・仕分けし、必要に応じて処分や保管をおこなうサービスです。家族の思い出の品を大切に扱いながら、不要な物を適切に処分することで、残された人の精神的負担を軽減する役割も果たします。

一方の特殊清掃は事故や孤独死、事件現場などの徹底的な消毒・清掃をおこない、衛生面での安全を確保します。

家族や親族に見守られながら最期を迎えられた場合や、病院・施設での看取りの場合は、特殊清掃の必要はありません。ただし、遺品整理については状況に応じて検討が必要になる場合があります。

専門業者へ依頼する際には、サービスの違いを十分に理解したうえで、状況や必要性に応じて適切なサービスを選択しましょう。信頼できる業者に相談し、作業内容や費用について詳しく確認することをおすすめします。

遺品整理で特殊清掃を業者に依頼したほうが良いケース3つ

遺品整理で特殊清掃を業者に依頼したほうが良いケース3つ

遺品整理は故人の思い出が詰まった大切な作業ですが、特に以下のケースでは専門業者への依頼を検討するべきです。

  1. 腐敗臭がする
  2. ハウスクリーニングでは対応できない
  3. ごみ屋敷になっている

専門業者に依頼することで、安全かつ効率的に遺品整理を進められるでしょう。ひとつずつ解説します。

腐敗臭がする

孤独死の現場では腐敗臭が発生するため、近隣住民への悪影響が大きいです。腐敗臭は通常の清掃では完全に除去できません。換気のために窓を開放すると、臭気が近隣地域に拡散してしまい、周辺住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす可能性が高くなります 。

このような事態に直面した場合は、特殊清掃業者に連絡を取り、消臭処理と衛生管理を実施することをおすすめします。

ハウスクリーニングでは対応できない

孤独死の現場の清掃には、一般家庭向けのハウスクリーニングでは対応が困難であり、特殊な清掃が必要です。

現場では体液や血液が床面に固着してしまい、通常の洗剤では完全な除去は難しいです。長期間放置による腐敗は悪臭を引き起こし、有害な細菌の繁殖や害虫の大量発生を招くケースがあります。

このような状況に対応するため、特殊な薬剤と専用機材を使用して徹底的な処理が必要となります。安全かつ効果的な消臭・除菌・清掃作業の実施には、豊富な実績と専門知識を持つ特殊清掃業者による対応が不可欠です。

ごみ屋敷になっている

部屋の状態が以下の場合は、特殊清掃しましょう。  

  • 室内に強い悪臭が漂っている、または害虫が発生している 
  • 壁や天井、床などの表面にカビの繁殖が広がっている  
  • 床が生活ごみや不用品で歩行スペースの確保が困難である

このような環境は、呼吸器系の問題や感染症など、深刻な健康被害を及ぼしかねません。

一般的な清掃や片付けでは対処が難しい、または自力での整理整頓が思うように進まない場合は、専門業者に依頼しましょう。

遺品整理での特殊清掃の費用

遺品整理での特殊清掃の費用

遺品整理で特殊清掃を依頼した場合の費用相場は、以下のとおりです。

作業内容 作業費用
床の洗浄・消毒 30,000円〜
浴室の清掃・除菌 30,000円〜
消毒剤・抗菌剤の散布作業 10,000円〜
劣化・汚損畳の除去 1枚:3,000円〜
オゾン処理による脱臭 1日:30,000円〜
汚物の完全除去 20,000円〜
害虫の駆除・予防処理 10,000円〜
作業員の作業費用 20,000円〜

遺品整理のサービスを追加すると料金が上がる可能性があるため、事前に必要な作業の範囲を明確にし、慎重に検討しましょう。

業者によって含まれる作業内容や追加オプションが異なります。複数の業者から詳細な見積もりを取得し、作業内容や料金体系、追加料金が発生する条件などを必ず確認してください。

特殊清掃から遺品整理までの流れ

特殊清掃から遺品整理までの流れ

特殊清掃から遺品整理までの一連の作業には、以下のステップがあります。

  1. 血液や体液を拭き取る
  2. 臭いを除去する
  3. 害虫作業をする
  4. 遺品整理をする

詳しく解説します。

血液や体液を拭き取る

亡くなった人が自殺や孤独死の場合、まず最優先で室内の清掃作業から始めます。血液や体液が残っている状況の場合、できるだけ早期の発見が重要です。発見が遅れると清掃作業がより困難になり、費用も増加する可能性があります。

時間が経過すると、体液が壁や床の素材に深く染み込んでしまい、除去が困難です。悪臭の原因にもなり、建材自体にまで影響を及ぼします。

清掃作業には特殊な薬剤を使用する必要があり、徹底的な消毒と除菌をしなければいけません。汚染が深刻な場合は、床材を完全に撤去して新しく張り替えや壁材の一部も交換が必要になります。

臭いを除去する

血液や体液などの汚れを丁寧に清掃・除去した後、オゾン脱臭装置を使用して室内の不快な臭いを取り除きます。臭い除去に必要な時間は、発見までの経過時間によって大きく異なります。

  • 早期発見の場合:4~6時間程度   
  • 発見が遅れた場合(24時間以上経過):1日以上

状況が悪ければ、さらに長期間かかる場合もあります。臭いが深く染み込んでしまった布団やカーペット、ソファーなどは完全な除去が困難なため、適切な方法で処分しましょう。

最終工程として、効果的な消臭剤を室内全体に噴霧し、清潔で快適な環境を整えて臭いの除去作業が完了します。

害虫駆除をする

発見が遅れると害虫が発生する可能性があります。放置すると周辺環境の衛生状態が悪化し、深刻な問題に発展しかねません。

害虫は冬場でも1週間程度で発生し、気温と湿度が高い夏場は2〜3日で現れ始めます。主に繁殖力が強いハエやゴキブリが発生し、害虫に最適な薬剤を使用して効果的な駆除作業をおこなう必要があります。一度発生すると、完全な駆除は困難です。

状況によっては、完全な駆除までに数日間かかり、建物の構造や被害の規模によって作業日数が変動する可能性があります。

遺品整理をする

においの除去と害虫駆除が完了した段階で、遺品整理に取りかかりましょう。部屋の掃除作業と並行しておこなうと、効率よく進められます。

遺品整理で物が多い場合は、完了するまでに数ヵ月を要することもあります。自分ひとりでは困難と感じた場合は他の親族に手伝ってもらったり、遺品整理業者に依頼したりしましょう。

特殊清掃を依頼したい遺品整理業者の4つの選び方

特殊清掃を依頼したい遺品整理業者の4つの選び方

信頼できる業者を選ぶことは、衛生的かつ安全な作業を実現するために不可欠です。特殊清掃業者を選ぶ際のポイントは、以下の4つです。

  1. 特殊清掃と遺品整理を一緒に依頼できるか
  2. 無料見積もりに対応しているか
  3. 実績があるか
  4. 消臭に対応しているか

信頼できる業者に依頼できるように、ひとつずつ押さえておきましょう。

特殊清掃と遺品整理を一緒に依頼できるか

特殊清掃と遺品整理のサービスを同時に依頼できるか、確認してみてください。特殊清掃と遺品整理を同一の会社に依頼すると、個別に発注するよりも総費用を大幅に抑えられます。

ひとつの会社に複数のサービスを依頼する場合、割引の適用や料金の相談がしやすく、作業の日程調整もスムーズです。特殊清掃の専門知識と経験を持つ遺品整理業者であれば、遺品の取扱いから供養まで、きめ細やかな対応をしてもらえます。

無料見積もりに対応しているか

遺品整理や特殊清掃の業者を選ぶ際は、見積もりが無料の業者を選びましょう。特に注意が必要なのは、見積もりの段階で料金を請求してくる悪質な業者が存在することです。このような業者は、後々追加料金を請求するトラブルに発展する可能性があります。

悪質な業者とのトラブルを避けるためにも、見積もり料金を請求する業者との取引は避けてください。より良い選択をするために、見積もりを取る際は最低でも3社以上の業者に依頼することがおすすめです。

複数の業者から見積もりを取れば、地域での料金の相場がより正確に把握できます。サービスの違いもわかり、より良い選択ができるでしょう。

実績があるか

特殊清掃や遺品整理の業者を選ぶ際は、まず会社のホームページにアクセスして過去の実績を詳しく確認することが重要です。実績を見ることで、業者の経験や専門性を判断できます。

具体的な作業事例や料金プランが提示されているホームページは、依頼する際の参考になります。豊富な実績を持つ業者は、予期せぬ事態にも適切に対応できる可能性が高いため、安心して任せられるでしょう。

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消臭に対応しているか

特殊清掃を依頼する際は、清掃だけでなく、臭いも確実に除去できる専門業者に依頼することが重要です。

室内に強い臭いが染み付いている場合、一般的な清掃や市販の消臭剤では臭いを根本的に取り除くことは困難です。臭いを完全に除去するためには、業務用消臭機械の使用や、特殊な薬剤による処理などの対応が必要となります。

完全な除去を保証してくれる業者に依頼しましょう。

遺品整理や特殊清掃で知っておきたい注意点5つ

遺品整理や特殊清掃で知っておきたい注意点5つ

遺品整理や特殊清掃をおこなう際に、とくに注意すべきポイントを5つ紹介します。

  1. 特殊清掃前は部屋に立ち入らない
  2. 窓を開けたり風呂を使ったりしない
  3. 遺品整理と特殊清掃を別で依頼すると高額になる
  4. 遺品整理する際は手袋とマスクを用意する
  5. 遺品は清潔にする

注意すべきポイントを押さえることで、安全かつ円滑に進められる可能性があります。ひとつずつ見ていきましょう。

特殊清掃前は部屋に立ち入らない

亡くなった人が発見された部屋への立ち入りは、特殊清掃業者による処理が完全に終了するまで、いかなる理由があっても絶対に控えてください。

立ち入り禁止の理由は、以下の3つです。

  • 室内に漂う強い異臭により、体調不良を引き起こす可能性がある  
  • 現場に残された血液や体液などの接触により、感染症にかかるリスクがある
  • 精神的なショックを受ける可能性がある

健康上および精神衛生上のリスクを回避するため、清掃業者からの安全確認が取れてから、部屋に入室しましょう。 

窓を開けたり風呂を使ったりしない

孤独死があった場所では、清掃業者が来るまでは窓を開けたりお風呂や台所の水を流したりするなどの行為は厳禁です。理由は、以下の2点です。

  • 遺体から発生する強い臭いが近隣地域に広がり、周辺住民の洗濯物や室内に臭いが染み付く
  • 遺体の一部が排水とともに流れ、建物の配管に詰まりを引き起こす危険性がある

現場に強い臭いが残っている状況であっても、必ず清掃業者による指示を待ちましょう。勝手に行動してしまうと、近隣住民からの苦情や、予期せぬ賠償問題に発展する可能性があります。

遺品整理と特殊清掃を別で依頼すると高額になる

特殊清掃と遺品整理を同じ業者に依頼すると、作業の効率化と費用対効果の面でメリットが大きいです。両方のサービスを一括で依頼すれば、作業時間の短縮や手続きの簡素化につながります。

孤独死現場における特殊清掃は必須の作業であり、清掃作業と並行して遺品の整理作業も実施する必要があります。

別々の業者に依頼した場合、特殊清掃の作業中に遺品整理業者を待たせるケースも考えられ、作業が中断される可能性が高いです。待機時間も料金に含まれるため、コストが増加してしまう要因にもなります。

特殊清掃と遺品整理の両方のサービスを一括して請け負う業者を選ぶことで、作業がスムーズになるだけでなく、費用を抑えることにもつながるでしょう。

遺品整理する際は手袋とマスクを用意する

遺品整理をおこなう際は、安全と健康を守るために、必ず保護用の手袋とマスクを着用してください。

長期保管されている遺品にはカビや細菌、ほこり、その他の有害物質が付着している可能性が高いため、直接手で触れることは危険です。とくに、湿気の多い場所や密閉された空間に保管されている遺品には、十分に注意してください。

手袋とマスクを着用することで、皮膚への接触や有害物質の吸入を防ぎ、作業者の体調と健康を維持しながら作業ができます。

遺品は清潔にする

遺品は清潔にすることが重要です。特に長期間放置された遺品は、湿気やほこりが溜まりやすく、カビや害虫が発生するリスクがあります。目に見えない細菌やウイルスが付着している可能性も考えられるため、必ず適切な消毒作業をおこなう必要があります。

特に寝具類や衣類は、人が直接触れている物であるため、より念入りに消毒しましょう。

消毒作業をおこなう際は、アルコールや次亜塩素酸系の消毒剤を使用することが一般的ですが、素材によって適切な消毒方法が異なります。

また、消毒剤の使用方法を誤ると、貴重な遺品を傷めてしまう可能性もあります。布製品や木、金属などそれぞれの素材に合わせて消毒剤を選択し、使い分けるようにすれば、遺品を炒める心配をせずに済むでしょう。

遺品整理と特殊清掃についてまとめ

遺品整理と特殊清掃についてまとめ

遺品整理は故人の思い出の品を丁寧に仕分けし、遺族の意向を尊重しながら整理する作業です。一方、特殊清掃は事故や突然死などの現場を衛生的に処理し、室内を安全な状態に戻す専門的な作業を指します。

遺品整理と特殊清掃は、目的も作業内容も大きく異なります。特殊清掃は専門的な知識と技術が必要な作業であり、適切な業者選びが重要です。状況に応じて必要なサービスを見極め、信頼できる業者に依頼することをおすすめします。

遺品整理特殊清掃でお困りの場合は、山本清掃へご相談ください。山本清掃は、環境省が推奨する「優良認定事業者」の認定を受けており、遺品整理と特殊清掃を一括で引き受けております。メール電話LINEで、お気軽にお問い合わせください。

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