実家の片付けは多くの人にとって大きな課題です。年々増えていく物や家族の思い出が詰まった品など、限られた時間での作業は困難を極めるでしょう。しかし、適切な方法で進めれば困難な作業も効率よく進められます。
本記事では、実家を効率よく片付ける方法について解説します。記事を読めば具体的な手順とポイントがわかるので、片付けを始める予定がある人はぜひ参考にしてみてください。
目次
実家の片付けは早いほうがよい理由4つ
実家の片付けは、後回しにしがちな大きな課題であるものの、早めに取り組んだほうが楽に進められます。とくに高齢の親が健在なうちに始めると、以下のさまざまなメリットがあります。
- 介護がしやすくなる
- 親が元気なうちのほうが片付けやすい
- 相続や遺品整理の負担が減る
- 健康面でのリスクが減る
実家の片付けを早めに取り組めば、家族にとってよい結果をもたらすでしょう。
介護がしやすくなる
親が一人で生活ができなくなったときに実家が片付いていると、必要な医療機器や介護用品を適切に配置できます。在宅での介護サービスをスムーズに受けられるでしょう。
片付いていないと、介護に必要不可欠な介護ベッドや歩行器、車いすなどの設置場所を確保するのは困難になります。介護スタッフの動線も確保できないため、適切な介護サービスを受けるのも難しくなるでしょう。
家族にとってもストレスの原因となります。不要な物の処分や収納スペースを確保する追加費用など、経済的負担も発生します。
親が要介護状態になる前に実家を片付けておけば、必要なときにすぐに介護体制を整えられるでしょう。
親が元気なうちのほうが片付けやすい
親の体が動くうちに片付けを始めると、家族の精神的・肉体的な負担を大幅に軽減できます。また、親子で一緒に思い出の品々について語り合いながら整理できる貴重な機会にもなります。
高齢になってから片付けを始めようとしても、体力の低下や判断力の衰えにより、効率よく片付けるのは難しくなるものです。親がまだ元気で活動的な時期であれば焦らずに時間をかけ、計画的に少しずつ片付けを進めていけるでしょう。
早めに片付けをすることは、親自身が自分の持ち物を見直し「生前整理」するよいきっかけにもなります。また、家族間のコミュニケーションを深める機会にもなるでしょう。
相続や遺品整理の負担が減る
日頃から整理整頓を心がけていれば、親が亡くなった後も重要な書類や貴重品、金銭関係の書類などを早く見つけられます。相続手続きもスムーズに進められるため、余計な心配や負担がありません。
反対に片付いていない状態だと、遺品整理に多大な時間と労力がかかります。相続に必要な書類が見つからず、手続きが滞る事態に陥ります。
また、誰も住んでいない状態で片付けに時間がかかると空き家状態が長期化し、毎月の管理費や固定資産税などの継続的な支出が発生します。
早めに片付けを済ませておけば、いざ相続となったとしてもスムーズに済ませられ、余計な支出がかからずに済むでしょう。
健康面でのリスクが減る
家が片付いていると健康面でのリスクが大幅に減少し、より快適で安全な生活環境を維持できます。家の中が物で溢れていると生活環境の悪化により、以下の深刻な健康上のリスクが発生する可能性があります。
- 打撲や捻挫、骨折などの事故を引き起こす
- 呼吸器系の疾患を引き起こしやすい
- 感染症に罹患するリスクが高まる
健康面でのリスクを予防し、健康的な生活を送るためにも、整理整頓と早めの片付けを心がけることが重要です。
実家の片付けをおこなう際に意識すべきこと6つ
実家の片付けは、思い出の品や親と向き合う大切な作業です。しかし、やり方を間違えると家族間の関係性を悪くする可能性があります。スムーズな片付けを実現するためには、以下のポイントを意識してみてください。
- 親の思いを理解する
- 断捨離は親の判断にゆだねる
- 過剰に捨てないようにする
- 否定した言葉を投げかけない
- 小さいスペースから片付け始める
- 自分の部屋は自分で片付ける
親子で思い出を共有しながら、新しい生活空間を作り上げていく機会ととらえましょう。
親の想いを理解する
実家にある物を断捨離するにあたり、持ち主である親が処分するのをためらうことがあります。捨てられない想いに寄り添い、物への愛着や思い出を大切にする気持ちに共感することが何より重要です。
家の中にある一つひとつのアイテムには、親の人生の大切な思い出や経験が詰まっています。それぞれに特別な意味や価値が込められていて、親にとって大切な人生の一部です。
親の想いや価値観を十分に理解し尊重しながら、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。片付けを通じて思い出を共有し、お互いの気持ちを理解し合うと、家族間の絆がよりいっそう深まります。結果として、親も自然に物を手放しやすくなるでしょう。
断捨離は親の判断にゆだねる
物を捨てるか否かの判断は、親が主導して決めるとスムーズです。親が最終的な判断をすれば、効率よく整理整頓を進められます。
親の大切にしている物への思い入れや感情を無視して、一方的に処分すると、反感を持たれかねません。親のストレスを増大させ、片付けにも悪影響を及ぼします。できるだけ親自身の意志で物を手放すことを優先しましょう。自分で決めて捨てれば精神的な負担が軽減され、片付けに対してより前向きな気持ちで取り組めます。
物を残すか捨てるかの判断に迷った場合は、一定期間保管しておくことが効果的です。時間を置くと必要かどうかを判断でき、不要となったとしても納得して処分できます。
過剰に捨てないようにする
物を捨てすぎると生活の質を低下させる可能性があるため、慎重な判断が必要です。思い出が詰まった品を必要以上に処分すると、精神的な不安定さやストレスを感じやすくなり、後悔につながります。
適切な量の持ち物を保持することは、日常生活に安心感と落ち着きを与え、心の豊かさと精神的な安定性を高めます。
親世代の生活習慣や価値観を考慮しながら、残すべき物を丁寧に選別しましょう。お互いのストレスを軽減し、よりよい関係性を築けます。
否定した言葉を投げかけない
親との片付け作業をスムーズに進めるために、親の気持ちや思い出の品への愛着を無視した以下の言葉は避けましょう。
- こんなの捨てなよ
- なんでこんな物を持ってるの
- なんで片付けできないの
- あとで大変なのはわたしなんだから
親の気持ちを考えない否定的な言葉は、片付けの進行を妨げることになりかねません。親子間の信頼関係や絆を損なう可能性があるため、相手の立場に立って、思いやりのある言葉選びを心がけましょう。片付けの際は、コミュニケーションをとりながらおこなうことが重要です。
小さいスペースから片付け始める
実家のどこから手を付けようか迷った場合は、玄関や洗面所などの小さいスペースから始めましょう。小さいスペースから片付け始めると、短時間で目に見える成果が出るため、達成感を早く味わえます。
リビングなどの広い空間は片付ける作業量が多く時間もかかるため、成果を感じにくくなります。疲れが出やすくなり、掃除へのモチベーションが大きく下がる人もいるでしょう。
小さいスペースであれば集中して作業に取り組めるため、効率よく片付けができ、短時間で終わらせられます。ひとつの部屋がきれいに片付いて清潔になると、その空間での心地よさを実感できます。自然と次の部屋の掃除にも前向きな気持ちで取り組めるようになるでしょう。
自分の部屋は自分で片付ける
親と干渉することなく片付けるのであれば、自分の部屋から手を付けるのもおすすめです。子どもが独立して使用しなくなった部屋は、親の生活圏からは自然と離れているため、片付けるにあたり揉める心配はありません。
思い出の品も本人がすでに必要な物を持ち出している可能性が高く、掃除を始めるのにうってつけです。
また、自分の部屋であれば物の配置や収納の状態も把握しやすく、整理がスムーズに進められます。
自分の部屋を片付けると、親も片付けに対して意欲的になる可能性が期待できます。親が片付けをする見込みがないときは、まずは自分の部屋から始めてみてください。
実家の片付け方の順番4ステップ
実家の片付けを効率よく進めるためには、計画的なアプローチが重要です。以下4つのステップでおこなえば、スムーズに片付けを進められます。
- 計画を立てる
- 捨てる物の基準を決め、仕分けする
- 処分する
- 清掃する
各ステップの詳細を見ていきましょう。
計画を立てる
片付けを始める前に、まずは計画を立ててください。計画なしで始めると途中で迷ってしまったり、やる気が続かなくなったりする可能性があります。
計画を立てておくと目標や手順が明確になり、作業を効率よく進められるため、達成感を得やすくなります。
目標を立てる際は、いつまでにどこの部屋を片付けるか具体的に決めましょう。時期と場所を明確にすることが大切です。一人で抱え込まず、家族の予定や希望を考慮しながら、実現可能な計画を立てましょう。
捨てる物の基準を決め、仕分けする
片付けの前に捨てる物と残す物の基準を家族で話し合い、共有することが重要です。後々のトラブルや混乱を防げます。以下の捨てる基準をあらかじめ決めておくと、物の仕分けがスムーズに進み、判断に迷う心配がありません。
- 一年以上使用していない
- サイズに合わない服
- 使用する機会がない物
明確な基準を事前に設定しておくと、片付けの作業効率が大幅に向上します。また、重要な思い出の品や必要な物を誤って処分するリスクを最小限に抑えられます。
処分する
仕分けの際に不要と判断した物を処分します。処分する度に、処分方法を都度調べていては効率よく進められないため、あらかじめ自治体ごとに決められている規則を確認しておきましょう。
処分の仕方が事前に決まっていないと、物を仕分けしても行き場のないごみ袋が部屋に溢れます。片付けのモチベーションが大きく低下する原因となりかねません。
処分には大きく分けて、以下4つの方法があります。
- 廃棄
- 売却
- リサイクル
- 寄付
ごみの分別方法や粗大ごみの処分方法は自治体ごとに規則が異なるため、地域の基準を確認する必要があります。自治体の収集サービスを利用する場合は、事前にホームページで確認しておくことが重要です。
清掃する
使用頻度の高い部屋から掃除を始めると、効率よく家事ができます。優先度の高い部屋は、以下にピックアップしてみました。
- リビング
- キッチン
- トイレ
- 洗面所
とくにリビングは家族が長時間過ごすことから、先に片付けておくことで生活のストレスが大きく減ります。ただし、リビングのような広い空間を片付けるのは時間と労力が非常にかかるため、自身のリソースに応じて取り組むか否か判断しましょう。場合によっては、リビングは後回しにして他の狭いスペースから取り組むのも得策です。
大掃除のような大規模な掃除は体力的にも時間的にも負担が大きいです。そのため、一度にすべての場所を掃除しようとするのは控えましょう。部屋や場所ごとに分けて計画的に進めることが、継続的な掃除習慣を築くポイントです。
実家の片付けを業者に依頼したほうがよい3つのケース
実家の片付けは大きな労力と時間を必要とする作業です。とくに、長年住み慣れた家には思い出の品が多く、整理整頓には慎重な判断が必要と言えます。場合によっては、専門業者に依頼するのもよいでしょう。
専門業者に依頼することがおすすめなケースを3つ紹介します。
- 粗大ごみが多く、人手が足りない
- 使える不用品が多い
- 異臭がする
ひとつずつ見ていきましょう。
粗大ごみが多く、人手が足りない
粗大ごみが大量にあり、家族からの協力が得られにくい場合は、専門の不用品回収業者に依頼することをおすすめします。
粗大ごみのような重い物の片付けには、運び出しにより予想以上の身体的負担がかかります。自治体によっては一度に処分できる粗大ごみの量に制限があり、短時間で終わらせられないこともあるくらいです。
自力で処分する場合、規則にしたがって数回に分けて収集日に出すか、自身で処理施設まで運搬する必要があります。時間と労力がかかり、車両の手配なども必要となります。
一方、経験豊富な専門業者に依頼すれば、安全かつ効率的に一度の作業ですべての粗大ごみの処分が可能です。重労働によるケガのリスクも避けられ、時間と労力を節約しながら確実に処分を完了できます。
使える不用品が多い
専門業者は片付けだけでなく、状態のよい不用品を適正価格で買取りしてもらえる場合があります。買取対象となる品目を、以下にピックアップしてみました。
- テレビ
- 冷蔵庫
- 炊飯器
- 電子レンジ
- タンス
- ソファなどの家具類
ただし、年式や使用状態によっては買取りを拒否されることがあります。傷や汚れが著しい物は対象外となる場合が多いため、事前に業者への確認が必要です。買取りしてもらえる場合、買取金額分だけ片付け費用を抑えられるので、経済的なメリットがあります。
異臭がする
専門業者は高度な技術と専門的な機材を使用して、さまざまな種類の異臭を効果的に取り除けます。市販の消臭剤では、長期間に渡り染み付いた頑固な異臭を完全に取り除くのは困難です。
専門業者は特殊な強力消臭剤と脱臭装置を使用して、以下の不快な臭いに対応できます。
- 腐敗による不快な臭い
- 壁や天井に染み付いたタバコのヤニや臭い
- ペットの排泄物や体臭が染み込んだカーペットや畳の臭い
自力で対策を取っても改善が見られない場合は、効果が期待できる専門業者へ依頼することを検討してみてください。
実家の片付けを専門業者に依頼した場合の費用相場
実家の片付けを業者に依頼する場合の一般的な費用相場は、以下のとおりです。
間取り | 料金相場 | 作業人数 | 作業時間 |
---|---|---|---|
1R・1K | 3万円~ | 1~2名 | 1~3時間 |
1DK | 5万円~ | 2~3名 | 2~4時間 |
1LDK | 8万円~ | 2~4名 | 2~6時間 |
2DK | 9万円~ | 2~5名 | 2~6時間 |
2LDK | 10万円~ | 3~6名 | 3~8時間 |
3LDK | 15万円~ | 4~8名 | 5~12時間 |
4LDK以上 | 22万円~ | 4~10名 | 6~15時間 |
ただし家具や不用品の量、建物の階数、作業の難易度などによって価格は大きく変動します。遺品整理や特殊清掃が必要な場合は、別途費用が発生する可能性があるので注意してください。
実家の片付けまとめ
実家の片付けは、単なる物理的な作業ではありません。家族の思い出や感情も絡む複雑な課題です。しかし計画的に進め、必要に応じて専門業者の力も借りながら着実に進めていけば、終わらせるのは決して難しくありません。
実家に住む親が快適な生活を送れるようにするために、ぜひ参考にしてみてください。
粗大ごみの処理でお困りの際は、山本清掃にご相談ください。山本清掃は、環境省が推奨する「優良認定事業者」の認定を受けています。メールや電話、LINEにて、お気軽にお問い合わせください。