「遺品整理と生前整理って何が違うの?」と、気になる人は多いのではないでしょうか?
遺品整理と生前整理は目的や実施時期、方法などに多少の違いがあります。そのため、事前に違いを理解したうえで準備しておけば、残される家族の負担が大幅に軽減できるでしょう。
本記事では、遺品整理と生前整理の違いを詳しく解説します。それぞれのやり方やメリット・デメリットも分かるようになっているため、ぜひ参考にしてください。
目次
遺品整理と生前整理の違い
遺品整理と生前整理の大きな違いは、整理のタイミングと実施者です。遺品整理は遺族や関係者が故人の死後におこなうのに対し、生前整理は本人が生きている間に自らおこないます。
遺品整理と生前整理は、不要なものを処分するという基本的な部分は同じです。ただし、実施する人物や作業、タイミングにおいて多くの違いが見られます。
生前整理では本人の意思が反映されやすく、計画的に進められますが、遺品整理では故人の思い出や遺族の感情が入るため、より慎重な対応が必要です。
遺品整理とは
遺品整理とは、故人の死後に遺族が住居内に残された遺品を整理・処分する一連の作業です。遺品整理は遺族にとっても負担があり、思い出の品を処分する際に心理的な重圧が大きくのしかかります。
遺品には遺族にとっての大切な思い出や、故人の思いが詰まっているため、処分をおこなう際には特別な配慮が必要です。
生前整理とは
生前整理とは、本人が健康なときに所有物を整理し、必要に応じて処分する作業です。生前整理は原則として本人が主体的におこなうものですが、身体的な制限や時間的な制約がある場合には、家族や友人と協力する場合もあります。
生前整理の最大のメリットは、本人自身が物品の必要性や思い出の価値を判断できることです。自身が処理することによって遺族の感情的、および物理的な負担を大幅に軽減できます。さらに、自身の人生を振り返り、大切なものを再確認する機会にもなります。
遺品整理ですべきこと2つ
遺品整理は計画的におこなうことが重要です。事前にいつやるのかスケジュールを決めておく必要があります。目安としては、以下のとおりです。
- 葬儀後
- 死亡手続き完了後
- 四十九日の法要終了後
事前に計画を立てると作業の見通しが立ち、心理的な負担も軽減されます。ここからは、遺品整理の現場ですべきことについて、以下の2つを紹介します。
- 貴重品を見つける
- 遺品を仕分け・処分する
ひとつずつ見ていきましょう。
貴重品を見つける
遺品整理は整理・処分する前に、まずは貴重品を探してください。貴重品を誤って処分してしまうと、相続手続きや財産管理に支障をきたす恐れがあります。
貴重品に該当する物品は、以下のとおりです。
- 遺言書
- 預金通帳
- 印鑑
- 保険証
- 年金に関する書類
- 不動産・金融関係に関する書類
- クレジット・キャッシュカード
- 宝石類
- 現金
貴重品を探す際は故人のプライバシーに配慮しながら、丁寧に作業を進めましょう。とくに、個人情報が記載された貴重品の取扱いには細心の注意を払ってください。
また、貴重品を見つけた際は家族や関係者と相談しながら、適切に管理・処理することが重要です。
遺品を仕分け・処分する
貴重品の確認を終えたら、遺品を適切に分類します。種類別に仕分けすると、処分や保管が効率的かつスムーズに進められます。
不用品や処分が必要なものは、各自治体が定める廃棄物処理のルールにしたがって適切に処分してください。リサイクル可能なものは資源として活用し、環境への配慮も忘れないようにしましょう。
遺品が多かったり、時間的制約があったりする場合は、遺品整理業者へ依頼する選択もできます。業者は効率的な整理方法や法的手続きにも精通しているため、負担の軽減にもつながります。
遺品整理は故人の意思を尊重しつつ、自分たちのニーズに最適な方法を選択することが重要です。
生前整理ですべきこと3つ
生前整理ですべきことは、以下の3つです。
- 所有物を処理する
- 貴重品の有無を家族に伝える
- エンディングノートを書く
家族の負担を大幅に軽減できるため、ひとつずつこなしましょう。
所有物を処理する
日常的に使用する食器や衣類は、必要最小限の数量に絞り込むことが重要です。
いただいた食器や、長期間着用していない衣類など使われずに眠っているアイテムは一度見直し、本当に必要かどうかを慎重に検討しましょう。
不要と判断したアイテムは思い切って処分したり、他の人に譲渡したりすると、効果的な断捨離を実現できます。
処分や譲渡の方法として、リサイクルショップやフリマアプリなどのインターネットを活用するのが効果的です。環境に配慮しつつ、効率的に処分できます。
貴重品の有無を家族に伝えておく
残された家族が困らないように、貴重品の存在を事前に伝えておくことが重要です。とくに通帳やキャッシュカード、クレジットカードなどは保管場所を具体的に説明し、必要に応じてリストを作成しておくことが望ましいでしょう。
家族が銀行口座や投資口座の存在を知らないと、自分の死後に深刻な金銭的トラブルに発展する可能性があります。
貴重品はできるだけ同じ場所にまとめて保管し、家族全員で共有しておくことが大切です。定期的に家族と一緒に貴重品の確認や整理をおこなうと、緊急時にも迅速に対応できます。
エンディングノートを書く
エンディングノートを書くことは、自分の人生を振り返り、心の整理をする貴重な機会です。過去の経験や思い出を綴ることで自己理解が深まり、残された時間をより充実させるきっかけにもなります。
エンディングノートには、死去後に連絡してほしい知人の詳細な連絡先リストや葬儀に関する具体的な希望、資産相続に関する考えなどを記しておくとよいでしょう。遺族に自分の意思に沿った対応をしてもらえます。
ただし、資産相続に関してはエンディングノートの記載だけでは法的な効力がありません。自分の意思を反映させるには、公正証書遺言や法的に有効な遺言書の作成が不可欠です。
資産に関する遺言を残す場合は、専門家のアドバイスを受けながら、適切な手続きを踏むとよいでしょう。
遺品整理・生前整理を自分でおこなうメリット・デメリット
遺品整理・生前整理は業者に依頼する人が多い一方で、自分でおこなう方法もあります。メリットとデメリットの両方があるため、理解したうえで取り組み方を判断するとよいでしょう。
メリット
遺品整理・生前整理を自分でおこなうメリットは、以下のとおりです。
- 家族の負担を減らせる
- 相続についての家族の争いを避けられる
- 業者に払う費用がかからない
- 人生を振り返るよい機会になる
- 自分のペースで整理ができる
とくに大きいのは、費用を大幅に抑えられることです。実際に、遺品の量によっては業者に依頼すると数十万円もかかるケースもあります。
ただし、体力的な問題や時間的な制約がある場合は、家族や業者の助けを借りることも検討しましょう。自分と家族にとって、負担がかからない最適な方法を選択することが大切です。
デメリット
遺品整理・生前整理を自分でおこなうデメリットは、以下のとおりです。
- 思い出の品を捨てられない
- 処分に手間と時間がかかる
- 処分に費用がかかる
荷物の量や状況によっては、想像以上に困難な場合があります。感情的な負担や時間的制約を判断し、場合によっては専門業者に依頼することも検討しましょう。専門業者は経験とノウハウを持っており、効率的かつ適切に整理作業を進められます。
ただし、自分でおこなうか専門業者に依頼するかは、状況や家族の意向によって異なります。デメリットを十分に理解したうえで、最適な方法を選択してください。
遺品整理や生前整理は、故人や家族の思い出と向き合う大切なプロセスです。そのため慎重に検討し、自分たちのペースで進めていくことが重要です。
遺品整理・生前整理業者の費用相場
遺品整理を業者へ依頼した場合、間取りや広さ、作業時間によって金額が変わります。多くの業者は間取りに応じて料金体系を決めており、費用相場は以下のとおりです。
間取り | 費用相場 |
---|---|
1R・1K | 3万円~ |
1DK | 6万円~ |
2DK | 9万円~ |
2LDK | 11万円~ |
3DK | 15万円~ |
4LDK | 19万円~ |
あくまで目安であり、実際の料金は状況や作業内容によって変動する点に注意してください。また、地域によっても相場が異なる可能性があるため、正確な見積もりは複数の業者に相談することをおすすめします。
遺品整理・生前整理業者の選び方のポイント
遺品整理業者を選ぶ際は、以下のポイントに気をつけましょう。
- 見積もりがわかりやすい
- 一般廃棄物収集運搬業の許可を保有している
- 作業範囲が明確
ホームページ上に料金表が明記してあると、費用の見通しが立てやすくなり、複数の業者を比較する際の参考にもなります。業者によって作業範囲が異なるので、どこまで対応してくれるのか事前に確認しておきましょう。
また、追加料金が発生する可能性のある作業についても、確認しておくことをおすすめします。
資格がない業者は不用品回収や買取りはできないので、注意が必要です。不用品を回収するためには「一般廃棄物収集運搬業」が、買取りは「古物商許可」がそれぞれ該当します。
業者選びの際には資格の有無を必ず確認し、信頼できる業者を選択することが大切です。悪徳業者については以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
【関連記事】無許可の悪質な不用品回収業者には注意してください!
遺品整理と生前整理の違いについてまとめ
遺品整理と生前整理は似た作業と思われる人が多いですが、作業内容や目的が多少異なります。生前整理をおこなえば、自分のペースで整理ができ、家族の負担を軽減できます。また、自分の人生を振り返るよい機会にもなるでしょう。
一人でおこなうのが負担に感じる場合は、遺品整理業者への依頼を検討してください。物品の仕分け作業はもちろんのこと、不用品の回収や処分など、すべての工程をスタッフが請け負ってくれます。
遺品整理や生前整理でお困りの人は、山本清掃へご相談ください。環境省が推奨する「優良認定事業者」の認定を受けています。メールや電話、LINEにて受け付けているため、気軽にお問い合わせください。