遺品整理は、大切な人が亡くなったときにおこなう作業です。本来なら時間をかけて故人と向き合いながら、ゆっくりと片付けたいと思う人が多いでしょう。しかし、実際には遺品整理のための時間を十分に確保できないケースがほとんどです。
遺品整理を業者に依頼すれば短時間で終えられますが、費用が気になるという人も多いはずです。遺品整理の費用は高額になりやすいため、見積もりを取り複数業者で比較して選ぶことが大切です。
本記事では、遺品整理で見積もりを取るときにすべきことや流れ、費用の目安を解説します。遺品整理でトラブルに巻き込まれたり後悔したりしないように、業者に依頼する前にぜひお読みください。
目次
遺品整理に見積もりが欠かせない理由3つ
遺品整理に見積もりが欠かせない理由は、3つあります。
- 業者の質を判断できる
- 料金の相場を把握できる
- 悪徳業者に依頼する事態を避けられる
詳しく解説します。
業者の質を判断できる
遺品整理の前に見積もりを依頼することで、業者の質を判断できることが大きなメリットです。問い合わせへの対応や実際の接客力、気遣いの有無などを自分の目で確かめられるため、信頼できる業者に依頼できる確率を上げられます。
業者の質を確認しないまま依頼してしまうと、遺品を雑に扱われたり作業の中で嫌な思いをしたりする可能性があります。大切な人が遺したものを気持ちよく整理するためにも、業者の質はしっかりと見極めましょう。
料金の相場を把握できる
遺品整理の料金は、業者によって大きく異なります。事前に見積もりを取ることで料金の相場を把握でき、適切な業者に依頼できます。見積もりを取らずに依頼すると、料金面でのトラブルに発展しかねません。
料金体系が業者によって異なるため、内訳などを精査するためにも見積もりを取ることが大切です。追加料金の有無やサービス内容などをしっかり確認し、妥当と思えるところに依頼するようにしましょう。
悪徳業者に依頼する事態を避けられる
見積もりを依頼することで、悪徳業者にひっかかってしまう事態を避けられます。資格の確認や他社との比較をおこなうことで、冷静に優良業者かどうかを見極められるからです。
遺品整理でトラブルに遭ったり悪徳業者に当たったりする確率は、残念ながら小さくありません。見積もりを活用することで悪徳業者に依頼するのを防ぎ、適切な金額で遺品整理を進められます。
優良業者を見極めるためにも、事前に見積もりを依頼して業者との接点を持ちましょう。
遺品整理で見積もりを取るときの流れ
遺品整理で見積もりを取るときの流れは、以下の2つです。
- 電話やメールなどで見積もりを依頼する
- 訪問日を決めて現地で見積もりをしてもらう
詳しく説明します。
電話やメールなどで見積もりを依頼する
気になる遺品整理業者が見つかったら、電話やメールなど業者指定の方法で見積もりを依頼しましょう。中には、一括で複数の業者に見積もりを依頼できるサイトもあります。
問い合わせへの対応についても、業者を選ぶにあたって判断するポイントです。対応の速さや言葉遣い、スムーズな案内をしてくれるかなど、見積もりを依頼したときの応対を細かくチェックしておきましょう。
訪問日を決めて現地で見積もりをしてもらう
遺品整理の見積もりは、可能な限り現地での見積もりを依頼しましょう。遺品の状態を直接見てもらうことで、誤差のない正しい見積もりを出してもらえる可能性が高いためです。
あらかじめ依頼したい作業内容をまとめておくと、スムーズに話が進みます。見積もり中の対応も細かく見ておき、業者選びの参考にしましょう。
見積もりに対して詳細の説明があるか、しつこく勧誘されないか、などもチェックしておくことが大切です。
遺品整理の費用の目安
遺品整理の費用は遺品の量や業者によって異なりますが、部屋の広さやスタッフの人数が金額の目安になります。平均的な費用の目安は、以下のとおりです。
部屋の広さ | スタッフの人数 | 所要時間 | 金額 |
---|---|---|---|
1R・1K | 1〜2名 | 1〜2時間 | 30,000~80,000円 |
1DK | 2〜3名 | 2〜4時間 | 50,000~120,000円 |
1LDK | 2〜4名 | 2〜6時間 | 70,000~200,000円 |
2DK | 2〜5名 | 2〜6時間 | 90,000~250,000円 |
2LDK | 3〜6名 | 3〜8時間 | 120,000~300,000円 |
3DK | 3〜7名 | 4〜10時間 | 150,000~400,000円 |
3LDK | 4〜8名 | 5〜12時間 | 170,000~500,000円 |
4LDK以上 | 4〜10名 | 6〜15時間 | 220,000~600,000円 |
遺品の内容や量、部屋の状態によってスタッフの人数や作業時間が増えると、金額が大きくなります。オプションで依頼したい作業がある場合や、消毒・消臭などの特殊作業が発生する場合は別途費用がかかるので、金額や内容を確認しておきましょう。
基本プランに含まれている作業内容は、業者ごとに異なります。別途費用がかかる部分や見積もり時に明確にならなかった費用については、費用の目安や加算の基準が明確になっているか確かめておきましょう。
遺品整理で見積もりを取るときにすべきこと5つ
遺品整理で見積もりを取る際は、以下の5つをおこないましょう。
- 現地見積もりを依頼する
- 資格や責任者印を確認する
- 追加費用の有無やサービスの範囲を確認する
- オプション内容を確認する
- 複数社で比較する
ひとつずつ説明します。
現地見積もりを依頼する
遺品整理は可能な限り、現地での見積もりを依頼してください。遺品の量や内容は、実際に見てもらわないとわからないことが多いため、正しい見積もりを出すのが難しいからです。
メールや写真などで見積もりを出してもらうと、漏れがあったり不要なサービスを依頼したりしてしまう可能性があります。できる限り訪問してもらったうえで、詳しい見積もりをもらってください。
資格や責任者印を確認する
見積もりを取る際は、資格の有無を確認することも忘れてはいけません。遺品整理士の資格は必須ではないものの、不用品の引き取りや買取りには資格が必要です。
不用品の引き取り・処分には一般廃棄物収集運搬業の許可が、買取りをおこなうには古物商許可があるかを確認しましょう。
また、見積もりは書面でもらい、責任者の印が押されていることも見落としてはいけないポイントです。口頭では費用の詳細もわからず、金額が変わる可能性も否めません。誰が見積もりをしたのかがはっきりとわかるように、企業名や責任者印があるかもチェックポイントです。
見積書への押印は省略している業者も多いですが、担当者名が記載されているなど、責任の所在が明確になっているかを確認しておきましょう。
追加費用の有無やサービスの範囲を確認する
見積書を受け取ったら、追加費用の有無や作業内容の範囲について確認しましょう。追加費用が発生する可能性がある場合は、条件や金額などを確認しておくことが大切です。
依頼後にトラブルにならないためにも、契約にどのような作業が含まれているかも詳しく確認しておきましょう。業者ごとにプランや作業内容が異なるため確認を疎かにすると、思っていた仕上がりと違う、といったことが起こります。不要なサービスが含まれていないかどうかも、確認しておくと安心です。
オプション内容を確認する
遺品整理のオプションは複数あり、サービス内容が業者ごとに異なります。利用する場合は、オプション内容の確認をしておきましょう。必要なオプションが含まれているか、不要なものが入っていないかの確認も必須です。
あらかじめ利用したいオプションが決まっている場合は、対応している業者を調べてから見積もりを依頼するとスムーズです。実際に、特殊清掃や消毒などに対応していない業者も少なくないので、事前に確認しておきましょう。
複数社で比較する
遺品整理を業者に依頼するときは、相見積もりを取ることも重要です。費用の相場をつかみやすくなるだけでなく、同じ条件で業者を比較できるので選びやすくなります。
比較する業者があまりに多すぎると1社に絞るのが難しくなるため、良さそうなところを2〜3社程度に絞ってから、見積もりを依頼するとよいでしょう。
業者を絞るのが難しい場合は一括見積もりサイトなどを利用し、条件を詳しく入力してみるのもおすすめです。
遺品整理の見積もり額を安く抑えるコツ
遺品整理の見積もり額を安く抑えるコツは、以下の3つです。
- 依頼する作業を厳選する
- 買取りサービスを利用する
- 作業日を業者の希望日に調整する
実際に取り入れると数万円単位で変動することもあるため、ひとつずつ押さえておきましょう。
依頼する作業を厳選する
遺品整理の作業は複数に分けられるため、可能な範囲では自力でおこない、依頼する作業を厳選すると費用を抑えられます。
例えば、遺品の仕分けは自分でおこなう、自治体で処分できる不用品は自分で捨てる、などが挙げられます。
自分でおこなう以上は時間や手間がかかるデメリットはあるものの、簡単に費用を抑えられることは大きなメリットです。可能な限り自分で進めてみて、手間のかかる作業や自分では難しいものだけ依頼してみるとよいでしょう。
買取りサービスを利用する
遺品の中に未使用のもの、まだ使えそうなものがあれば買取りサービスの利用を検討してみましょう。遺品整理業者の中には買取りも同時におこなってくれる業者があり、遺品整理と同時に依頼できます。
依頼したい業者が買取りをおこなっていない場合は、自分で店舗に持ち込んだり、出張買取を依頼したりするとよいでしょう。
ただし、必ずしも遺品を買取りしてもらえるとは限らず、状態によっては拒否されることもあります。買取りを拒否された場合に備え、処分方法についても調べておきましょう。
作業日を業者の希望日に調整する
遺品整理の費用を抑えたい場合は、作業日や時間を指定せず業者にお任せすると安くなることがあります。見積もりにきてもらったときなどに費用を安く抑えたいことを伝えて、値引きできるポイントを聞いてみてください。
たとえば業者の手が空いている日に作業してもらう、夕方など業者に都合のよい時間に合わせる、などの交渉が挙げられます。ただし、必ずしも安くなるとは限らない点に注意が必要です。
遺品整理で見積もりを取るときについてまとめ
遺品整理を業者に依頼するときは、2〜3社から相見積もりを取り、じっくり検討したうえで契約しましょう。見積もりを取るメリットは、以下の3つです。
- 業者の質を判断できる
- 費用の相場を把握できる
- 悪質業者にひっかからなくなる
遺品整理の費用は遺品の量や部屋の広さ・状態などによって大きく異なるため、できる限り現地に来てもらったうえで見積もりを出してもらいましょう。また、問い合わせから見積もり時の対応をよく観察し、信頼できる業者に依頼することも大切です。
大切な故人の遺品整理を適当な業者に依頼すると、後悔することもあります。少しでも不安を感じたり違和感を覚えたりした場合は依頼するのをやめ、「ここなら安心してお願いできる」と思える業者を選ぶようにしましょう。
山本清掃は、京都市の認可を受け長年京都市で不用品の回収や遺品整理に携わっています。買取りや特殊作業など、さまざまなご要望にもお応えできますので、メールや電話、LINEで、ぜひ気軽にご相談ください。