大切な人を亡くしたとき、遺品整理をいつ始めるかで悩む人は多いのではないでしょうか。遺品整理をおこなうのに、いつがよいという決まりはありません。遺族のタイミングでおこなえるので、四十九日に関係なく遺族が始めたいときにスタートできます。
しかし、遺品整理をおこなうタイミングによっては注意しなければならない点があることも事実です。あらゆる点を考慮したうえで、遺族全員が納得できるタイミングでスタートすることが大切です。
本記事では、遺品整理を四十九日前におこなうメリットについて解説します。スムーズに進めるコツや業者に依頼するときの注意点も紹介しているので、早めに遺品整理を始めようと考えている人はぜひ参考にしてください。
目次
遺品整理を49日前におこなうメリット
遺品整理をおこなうタイミングのひとつに、四十九日があります。仏教では「忌明け」と位置付けられており、喪が明け通常の生活に戻るタイミングです。
遺品整理を四十九日前におこなうメリットは、3つあります。
- 費用が節約できる
- 心の整理ができる
- 49日で形見分けができる
ひとつずつ見ていきましょう。
費用が節約できる
遺品整理を早く進めることで家賃や公共料金、故人が利用していたサブスクリプションなどを早めに解約できます。遺品整理が遅れるほど費用が発生するため、賃貸の場合や故人が亡くなった後に空き家になる場合は、早めに片付けを始めるといいでしょう。
また、ごみなども早めに片付けられるため、遺品整理を四十九日より後に実施するときに比べて作業がスムーズに進み、余計な費用が発生しづらくなります。結果的に、遺品整理を早めに始めることで金銭的なメリットが大きくなると言えるでしょう。
心の整理ができる
四十九日前はまだ喪中にあたり、故人を亡くしたという事実を少しずつ受け入れていく時期です。そんな時期に個人を偲びながら少しずつ遺品を片付けることで、自分の気持ちを受け入れつつ心の整理を始めるきっかけになるでしょう。
四十九日以降に遺品整理をおこなう場合、ようやく心が落ち着いたのに遺品を見てまた心を痛めることは少なくありません。期間をあまり置くことなく遺品整理を始めることは、故人だけでなく残された遺族のためとも言えるでしょう。
49日で形見分けができる
遺品整理を早めに進めると、四十九日の法要で遺族が集まったときに形見分けをおこなえます。遺族が一堂に会する機会はそれほど多くないため、四十九日で故人の形見を直接手渡せるのは大きなメリットです。
遺品を送付したり、形見分けのために集まったりする必要がなくなるため、手間も時間も省けます。大切な遺品を直接手渡しながら遺品や故人にまつわる話ができるので、四十九日の法要にふさわしいと言えるでしょう。
遺品整理を49日前におこなうときの注意点
遺品整理を四十九日前におこなうときの注意点を見ていきましょう。主なポイントは、以下の3つです。
- 親族の同意を得ておく
- 相続放棄について理解しておく
- 捨ててはいけないものに注意する
詳しく説明していきます。
親族の同意を得ておく
遺品整理をおこなうときは、あらかじめ親族に相談して同意を得ておくようにしましょう。中には四十九日前に遺品整理をおこなうことに異を唱える親族がいるかもしれず、トラブルに発展する可能性も捨て切れないからです。
もし、親族から反対された場合は四十九日前に遺品整理を進めたい理由を、丁寧に説明しましょう。遺品整理は始める時期に関わらず、親族の同意を得ておくことが大切です。
形見分けなどをスムーズに進めるためにも、事前に話し合ってみてください。
相続放棄について理解しておく
遺品整理を進めると相続に同意したとみなされることがあるため、相続放棄を考えているときは慎重に進めなければなりません。相続放棄とは、相続人が故人の資産や負債などを相続する権利を放棄することです。すべての財産を相続することを放棄する「相続放棄」のほか「限定承認」や「単純承認」があります。
相続は資産だけでなく負債も対象となるため、故人が借金を抱えていることを把握している場合は、相続放棄も視野に入れましょう。また、相続税の申告は10ヵ月以内と定められているので、期日までに提出する必要があります。
相続放棄を考えているときは、遺品整理に参加しないほうがよいでしょう。また、専門家に早めに相談するなどして、相続放棄の手続きなどを確認した上で遺品整理に取り組んでください。
捨ててはいけないものに注意する
遺品整理では捨ててはいけないものが複数あるため、仕分けをスムーズに進めるためにも保存しておくべき物を事前に確認しておきましょう。捨ててはいけない物は、以下のとおりです。
- 現金
- 貴重品
- 契約書類
- 身分証明証 など
とくに、返却が必要な物や形見分けする物などは、絶対に捨てないように気をつけてください。処分する前に中身をよく確認し、大切なものが残されていないかチェックしましょう。衣類のポケットや引き出しなどは見落としが多いので、注意が必要です。
遺品整理で捨ててはいけないものは「遺品整理で捨ててはいけないもの14選!注意点や起こりうるトラブルまで詳しく解説」で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
49日前でも遺品整理をスムーズにおこなうコツ
四十九日前の遺品整理をスムーズに進めるコツは、以下の3つです。
- 貴重品などを先に捜索しておく
- 捨ててはいけないもの・残すものを分けておく
- 業者に依頼する
順番に説明します。
貴重品などを先に捜索しておく
四十九日前に遺品整理をおこなう場合は、貴重品などを先に捜索しておきましょう。
貴重品の中には、死後の手続きや相続に関係する物もあります。先に探しておくことで大切なものを見落としにくくなり、亡くなった後の手続きをスムーズに進められるでしょう。
遺品整理を始めるといろいろなものが散乱してしまい、目的の物を見つけにくくなる可能性があります。貴重品の捜索を最初に終わらせておけば不用品などの処理を業者に頼みやすくなるだけでなく、相続などの手続きを同時進行できます。
相続もまた時間がかかる場合があるため、スムーズに終わらせるために遺品整理の最初の段階で貴重品を見つけておきましょう。
捨ててはいけないもの・残すものを分けておく
遺品整理をおこなう前に「捨ててはいけないもの」と「残しておきたいもの」を明確にしておくことも大切です。処分してもよいかその場ですぐ判断できるようになり、遺品整理をテンポよく進めていけるからです。
とくに、職場からの貸与品やレンタル品などは早めに返却する必要があるため、間違って捨てないように別に保管しておきましょう。また、早めに整理しておくべきもの(冷蔵庫の中や生ごみなど)も把握しておくとスムーズです。形見分けなどで遺族が欲しがりそうな物も、丁寧に仕分けしておきましょう。
業者に依頼する
四十九日前に遺品整理を終わらせたい場合は、業者に依頼することも視野に入れて検討してください。大型の家具や家電など、処分に時間がかかる不用品でも業者ならすぐに引き取ってもらえ、短期間で遺品整理を終えられるからです。
不用品が大量にある場合や、ごみ屋敷になっていて自分たちでの整理が難しそうな場合も、早めに業者に依頼しましょう。また、遠方に住んでいる場合などで遺品整理の時間が取れないときも、業者の力を借りると円滑に終わらせられます。
遺品整理を49日以降におこなう場合にすべきこと3つ
遺品整理を四十九日以降におこなう場合は、以下の3つに気をつけてください。
- 簡単な部屋のチェックをおこなう
- 防犯対策をおこなう
- 相続税の手続きを忘れない
詳しく説明していきます。
簡単な部屋のチェックをおこなう
遺品整理を四十九日以降におこなう場合は、簡単に家のチェックをおこないましょう。とくに居住者がいなくなる場合は、遺品のなかに放置してはいけないものがないか丁寧な確認が必要です。
生ごみや冷蔵庫の中、台所などは重点的にチェックし、腐りそうな物は先に処分しておくことが大切です。故人が亡くなったままの状態で放置してしまうと、遺品整理をおこなうときに異臭や害虫などが発生してしまい、作業が困難になりかねません。
簡単に部屋を片付けておくだけで、遺品整理の費用を節約できる可能性があります。とくに、夏場は数日で部屋の状況が大きく悪化してしまうため、気をつけてチェックしてください。
防犯対策をおこなう
空き家になる場合は、防犯対策もしっかりおこないましょう。空き家とわかると不法投棄や不法侵入・火災などの恐れがあるため、ブレーカーを落として雨戸は閉めておくなど、最低限の防犯対策をおこなうことが大切です。
近所の人に声をかけておくと気にかけてくれることもあるので、遺品整理が遅くなりそうな場合は、不在になることを伝えておくとよいでしょう。新聞や郵便物などが溜まると不在だと丸わかりになるため、定期的に回収したり様子を見たりするのも有効です。
相続税の手続きを忘れない
相続手続きは、故人の死後10ヵ月以内におこなわなければならないので、忘れないでください。相続放棄や限定承認を考えている場合は3ヵ月以内の手続きが必要なため、早めに進めなければなりません。
遺品整理は相続財産の把握や重要な書類などを見つけるために必要な作業なので、四十九日以降におこなう場合も早めを意識しておきましょう。
ただし、相続放棄や限定承認をおこなう人が遺品整理を進めてしまうと、相続したとみなされる場合があります。他の親族に「相続放棄・限定承認をおこなう」旨を事前に伝え、遺品整理に参加しないようにすれば、トラブルを未然に防げます。
遺品整理を四十九日以降におこなう場合も、相続にかかる手続きを確実に把握し、期限内に進めるようにしてください。
遺品整理は49日前におこなうことについてまとめ
遺品整理は四十九日前におこなっても問題なく、むしろ早めに進めることで数多くのメリットがあります。最後に、忌明け前に進めるメリットを3つ紹介します。
- 費用が節約できる
- 心の整理ができる
- 四十九日で形見分けができる
相続する場合は早めにおこなうことで心の整理もでき、四十九日の法要とともに一区切りつけられるでしょう。
ただし、相続放棄を予定している場合は手続き前に遺品を整理してしまうと認められない場合があります。他の親族に伝え、自分は遺品整理に携わらないようにすれば、相続放棄できないという事態を防げます。
遺品整理を早急に進めたい場合は、山本清掃にぜひご相談ください。ご遺族様のお気持ちに寄り添い、真心を込めて作業させていただきます。まずはお見積もりやご相談からメールや電話、LINEにて、お気軽にお問い合わせください。